おとなのEテレタイムマシン 日曜美術館「私と鳥獣戯画」 手塚治虫
今回は1982年11月21日放送の日曜美術館「私と鳥獣戯画 手塚治虫」より
手塚治虫さんの漫画やアニメーションに親しんだ時代には非常に懐かしく、今では当たり前に鳥獣戯画もデザインとして定着していることも想像できなかったのですが、今によみがえったこの番組は非常に貴重な内容となりますね。そんな番組から基本的な「鳥獣戯画」や手塚治虫さんについてまとめてみたいと思いました。
鳥獣戯画ってどんな絵ですか?
「鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが)」とは、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて制作されたとされる絵巻物で、猿、兎、蛙などの動物が擬人化されて描かれています。これらの動物たちが人間のように振る舞う様子がユーモラスに描かれており、「日本最古の漫画」とも称されています。
この絵巻物は、京都市右京区の高山寺に伝わっており、国宝に指定されています。作者については諸説ありますが、鳥羽僧正覚猷(とばそうじょうかくゆう)という説が有力です。
鳥獣戯画は4巻からなり、それぞれ異なる内容が描かれています:
甲巻:猿や兎、蛙などの動物たちが遊ぶ様子が描かれています。
乙巻:動物の生態がリアルに描かれています。
丙巻:人物が登場し、遊戯や法要の様子が描かれています。
丁巻:人物の多様な活動が描かれています。
この絵巻物は、当時の社会や文化を反映しており、現代の漫画やアニメーションのルーツとも言われています。
どんな特徴がある絵ですか?
擬人化された動物:猿、兎、蛙などの動物が人間のように振る舞う様子が描かれています。これらの動物たちは、遊んだり、相撲を取ったり、楽器を演奏したりと、非常にユーモラスで生き生きとした姿を見せています。
ユーモアと風刺:動物たちの行動や表情には、当時の社会や人間の行動を風刺する要素が含まれており、見る者に笑いや考えさせる要素を提供しています。
流れるような筆致:絵巻物全体にわたって、流れるような筆致で描かれており、動きや表情が非常に自然で生き生きとしています。
多様な場面:各巻には異なる場面が描かれており、動物たちの遊びや競技、法要など、さまざまなシーンが楽しめます。
歴史的価値:平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて制作されたとされるこの絵巻物は、日本の絵画史や文化史において非常に重要な位置を占めています。
これらの特徴が「鳥獣戯画」を特別なものにしており、現代でも多くの人々に愛されています。
作者は誰ですか?
「鳥獣戯画」の作者については、確定した情報はありませんが、平安時代後期の高僧である鳥羽僧正覚猷(とばそうじょうかくゆう)が有力な候補とされています。しかし、各巻の筆致や画風の違いから、複数の絵師が関与した可能性も指摘されています。
この絵巻物は、宮廷や寺院に所属する絵仏師が描いたとも考えられており、具体的な作者は未だに謎のままです。
手塚治虫さんとはどんな人ですか?
手塚治虫(てづか おさむ)は、日本の漫画家、アニメ監督、そして医師でもあり、「マンガの神様」と称されるほどの偉大な人物です。彼は1928年11月3日に大阪府豊中市で生まれ、1989年2月9日に亡くなりました。
手塚治虫さんは、戦後日本の漫画とアニメーションの発展に大きく貢献しました。彼の代表作には『鉄腕アトム』、『ジャングル大帝』、『リボンの騎士』、『ブラック・ジャック』、『火の鳥』などがあります。これらの作品は、ストーリー性やキャラクターの深さで多くの読者や視聴者を魅了しました。
手塚治虫さんの影響は日本国内にとどまらず、世界中の漫画家やアニメーターに影響を与え続けています。彼の革新的なアイデアと情熱は、今なお多くの人々にインスピレーションを与えています。
彼は医師でもあったというのは本当ですか?
手塚治虫さんは、医師としての経歴も持っていました。彼は1945年に大阪帝国大学附属医学専門部に入学し、1951年に卒業しました。その後、大阪大学医学部附属病院でインターンを経て、1953年に医師免許を取得しました。手塚治虫さんは医学博士の学位を持ち、医師としての経験もありますが、最終的には漫画家としての道を選びました。彼の作品には、生命の尊さや人間の本質についての深い洞察が込められています。そして彼の作品には、医療に関する深い知識が反映されており、特に『ブラック・ジャック』などの医療漫画はその代表例です。
手塚治虫さんはどんな漫画を描きましたか?
手塚治虫さんは、戦後日本の漫画とアニメーションの発展に大きく貢献した人物です。漫画を通じて伝えたかった事やどんな漫画を作ってこられたのか、作品にまつわるテーマと代表作をまとめてみました。
革新的な作品:ストーリー性のある漫画を多数生み出しました。代表作には『鉄腕アトム』、『ジャングル大帝』、『リボンの騎士』、『ブラック・ジャック』、『火の鳥』などがあります。これらの作品は、深いテーマと魅力的なキャラクターで多くの読者を魅了しました。
アニメーションの先駆者:1963年に『鉄腕アトム』を原作とした日本初の30分枠のテレビアニメシリーズを制作し、現代の日本のテレビアニメ制作に大きな影響を与えました。
多様なジャンル:少年漫画、少女漫画、青年漫画など、さまざまなジャンルで活躍しました。彼の作品は、子供から大人まで幅広い層に支持されています。
社会的テーマ:生命の尊さや人間の本質についての深い洞察が込められており、戦争や環境問題などの社会的テーマも多く取り上げられています。
国際的な影響:日本国内にとどまらず、世界中の漫画家やアニメーターに影響を与え続けています。彼の革新的なアイデアと情熱は、今なお多くの人々にインスピレーションを与えています。
手塚治虫さんの活動は、漫画とアニメーションの歴史において非常に重要な位置を占めており、彼の作品は今なお多くの人々に愛されています
彼の代表作は何ですか?
鉄腕アトム(1952年-1968年):日本初のテレビアニメシリーズとしても有名で、未来のロボット少年アトムの冒険を描いています。
ジャングル大帝(1950年-1954年):ライオンのレオが主人公の物語で、自然と人間の共存をテーマにしています。
リボンの騎士(1953年-1956年):少女漫画の先駆けで、王女サファイアが男装して冒険する物語です。
火の鳥(1954年-1988年):不死鳥をテーマにした壮大な歴史と未来を描く作品で、手塚治虫さんのライフワークとも言われています。
ブラック・ジャック(1973年-1983年):無免許の天才外科医ブラック・ジャックが主人公の医療漫画です。
どろろ(1967年-1968年):戦国時代を舞台に、妖怪と戦う少年どろろと百鬼丸の物語です。
ブッダ(1972年-1983年):仏教の開祖である釈迦の生涯を描いた作品です。
記憶にある漫画もあったと思います。これらの作品は、手塚治虫の多様な才能と深いテーマ性を示しており、今なお多くの人々に愛されています。
まとめ
鳥獣戯画の有力とされる作者がいたこと、その内容がとてもユーモラスで動きもあり、現代にもその存在は商品になるなど、ただのイラストではないことがわかります。4巻もあったということはかなりの量の絵が存在していることも新しい発見です。そして漫画界の巨匠である手塚治虫さんが文化的価値や漫画と共通する部分を語っているこの番組はこれから放送があるので内容も興味深いものになると思います。番組は、9月14日 土曜 22:00 -22:50 NHKEテレ1東京 放送予定です。
コメント