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伊藤若冲の果蔬図巻(かそずかん)とは?2024年の京都の展覧会とは?

紅葉と庭 芸術家
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10月5日 土曜 22:00 -22:30 テレ東 
新美の巨人たち 新発見!伊藤若冲「果蔬図巻」×渡辺いっけい
奇想の絵師・伊藤若冲。なんと未発表の作品が昨年欧州で新たに発見されました。
そして10月、京都の美術館で世界初公開されます。

 伊藤若冲の日本画はどれも見ごたえがあり、放送が楽しみです。そんな放送に先駆けて今回、伊藤若冲についてまとめてみました。別冊宝島(2392)「若冲」と今回、京都の嵐山は福田美術館で予定されている美術展の情報を参考にしています。 

果蔬図巻(かそずかん)とはどんな絵ですか?

 寛政2年(1790)以前、若冲が70代の時に描かれた全長3メートル余りの大作で、若冲ならではの美しい色彩を用いてさまざまな野菜や果物が描かれた巻物です。70代で色絵を描いた例は少なく、重要文化財に指定されている「菜蟲譜(さいちゅうふ)」(佐野市立吉澤記念美術館所蔵・重要文化財)の前年に描かれていることから、今後若冲に関する研究を進める上で大きな意味を持っていると言えるでしょう。

 また、若冲と深い親交を持っていた相国寺の僧・梅荘顕常(大典)(1719-1801)の直筆による跋文(ばつぶん)が、巻物の最後に添えられており、《果蔬図巻》の価値をより高めています。大典は本作を絶賛すると共に、依頼者や若冲との交流についても述べており、史料としても大変貴重です。
(福田美術館公式HPより)

菜蟲譜(さいちゅうふ)とはどんな絵ですか?

 着色画巻で長さは11メートルに及びます。背景を薄墨で黒くする細かい演出など若冲ならではの表現があります。ハレの場に飛び散る葉や腐った葉を描くことが暗黙のタブー視とされてきた時代に、見たままの状態を素直に表現し、多種多様な表現を用いて昆虫や野菜たちで彩られました。色彩も豊かでその長さと比例して、描かれているものに趣を感じ、見ごたえがある画巻きとなっています。
 
 福田美術館のHPに出ている果蔬図巻と菜蟲譜(さいちゅうふ)の資料と簡単に見比べてみると、茄子の形や、ウドの形も非常に似ていて、大きさこそは違うが、ハス(れんこん)はのびのびと描かれていて向きや形などが酷似しているようにも見えます。どちらも完成度の高い仕上がりのため甲乙をつけるのは少し意味が変わると思われます。もし両方の絵を見ることができたら、新しい発見がきっとあり、足を運ぶ面白さがあると感じました。これは、ぜひ公開を待って現地で見ながら感じたい部分です。

作者の伊藤若冲とはどんな絵師ですか?

・1716年に京都の青物問屋の長男。
・江戸時代中期に活躍した日本の絵師。
・動植物を題材にした細密画が得意。
・鮮やかな色彩と緻密な描写が特徴的。

 彼は独学で絵を学び、特に中国の宋元画に影響を受けました。彼の代表作には、「動植綵絵(どうしょくさいえ)」という3花鳥画があります。この作品は、最高級の岩絵具を用いて動植物を丹念に描いたもので、30幅もの連作で10年の歳月をかけて制作されました。日本美術史上の傑作とされています。また、若冲は晩年に水墨画にも取り組み、その独特な画風と技術で多くの人々を魅了しています。

伊藤若冲の作品の特徴は?

鮮やかな色彩: 若冲の作品は、非常に鮮やかな色彩が特徴です。特に、原色の青や赤、黄色などが目を引きます。これは、彼が高価な絵の具を惜しみなく使えたためです。
細密な描写: 若冲の作品は、非常に細かくリアルな描写が特徴です。彼は身近な動植物を観察し、その細部まで丁寧に描き込みました。
モチーフの敷き詰め: 若冲の絵画は、余白をほとんど作らず、モチーフを敷き詰めるように配置することが多いです。これにより、彼の細密な描写がより際立ちます。
仏教思想の影響: 若冲の作品には、仏教の思想である「山川草木悉皆成仏」(生きとし生けるもの全てに仏が宿っている)が表れています。

ほかにどんな作品がありますか?

鸚鵡図(オウム):たくさん若冲が描いていたものです。:胡粉 ごふん(白色の原料)を使って羽を一本ずつ細かくかき分ける技法が使われています。また部分ごとに羽の線の太さを変えて表現されています。
百犬図(イヌ):画面一杯を覆うように仔犬がレイアウトされ、身体の模様はそれぞれ異なり、目の形が同じ点で共通に表現されています。
 多数の鶏を中庭に放し飼いにして、数年間観察して絵に描き上げる若冲の観察力は鶏も多く描かれていて、その画力はどの絵をみても若冲とわかり、見ごたえのある作品になっています。

若冲のグッズはあるの?

 福田美術館のミュージアムショップにも今回の展覧会の若冲グッズがキーホルダーなどありますが、身近なネットでも多数ありました。伊藤若冲は繊細な表現が得意とするため、デザインにしやすく、携帯ケースで多数種類もありました。そんな中でも「群魚図」の手ぬぐいは額装して飾っても面白いですね。

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京都の嵐山の福田美術館とは?どこにあるの?

 京都は嵐山にある福田美術館。建物のも美しく、景観を大切にしているその美術館は、建物も内装も美しく日本画のコレクションが豊富にあります。アクセスは公式HP→こちら

展覧会の概要は?(福田美術館公式HPより)

開館5周年記念 京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?! (略称:若冲激レア展)
会期
2024年10月12日(土)~2025年 1月19日(日)
※大幅な展示替えはありませんが、12月3日(火)に一部の屏風において、右隻・左隻の入れ替えを行う予定です。

開館時間  10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日 
12月3日(火)屏風の入れ替え
12月30日(月)~1月1日(水)年末年始

場所
福田美術館   (京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16)

入館料
※オンラインチケット・イベントチケットは9月1日に販売開始
一般・大学生:1,500(1,400)円
高校生:900(800)円
小中学生:500(400)円
障がい者と介添人1名まで:各900(800)円
※( )内は20名以上の団体 料金
※幼児無料

まとめ

 嵐山にある福田美術館ですが、渡月橋のすぐそばということもあり、景色が本当に美しい立地です。これから秋の紅葉のシーズンを迎え、人気の伊藤若冲の新たな発見の作品は今後も反響を呼ぶと思われます。若冲独特の繊細で豊かな色彩のその絵は世界中に魅力を発信することと思います。ミュージアムショップには素敵なグッズも用意されています。芸術の秋にふさわしいこの展覧会に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。この展覧会では若冲の作品が30点も展示されるということで、細密に描かれたそれぞれの作品をゆっくりと見て回ることができたら楽しいと思います。嵐電(らんでん)にゆられて京都の街並みを散策しながら紅葉の景色とともに心が豊かになる時間をもてると思います。

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