時代劇が世界中でヒットしていると#クロ現で放送していました。日本の映画が9/16月(日本時間)授賞式のエミー賞に多数の部門において評価が高く、主演俳優賞に真田裕之さん、助演俳優賞に浅野忠信さん、平岳大さんのノミネートされました。主演女優賞にノミネートされたアメリカを拠点に活躍中のサワイアンナさんも期待が高まっているとのこと。今回はこの映画をまとめてみました。世界中で大ヒットしているけどどうして?なんでしょうか。第76回エミー賞:授賞式後の9/16(月)報道ステーションでは18部門のエミー賞を受賞したとありました。そして放送内容を追記いたしました。
SHOGUNとはどんな映画ですか?
徳川家康をモデルにした吉井虎永を主題にしたこの映画は、日本語でやり取りが交わされる。「関ヶ原の戦い」の前夜の様子がストーリーになっています。敵対する勢力と攻防する歴史スペクタクル。セリフのほとんどが日本語です。イギリス人の航海士ウィリアム・アダムスをモデルに航海士の視点をもとに日本を見ている存在が世界に文化を理解していく様子が表現されている。22部門でのノミネートがあり、その受賞をみなが心待ちにしていました。
ストーリーそのものに海外から見た日本に共感できるものがあって、展開も面白そうですね。
18部門の受賞はどの部門でしょうか。
作品賞・主演男優賞・主演女優賞・監督賞・撮影賞・編集賞・ゲスト男優賞・キャスティング賞・プロダクションデザイン賞・音響編集賞・音響賞・視覚効果賞・スタント、パフォーマンス賞・メインタイトルデザイン賞・メイクアップ賞(歴史劇&ファンタジー)・衣装デザイン賞・ヘアースタイリング賞・プロステティックメイクアップ賞の18部門です。
これだけの部門で賞を受賞できたというのもその映画の完成度が高いという評価の表れではないでしょうか。
どんな俳優さんがでているの?
真田裕之さんがプロデュースされています。アメリカに活動の拠点を移してから、日本文化を知ってもらうために映画を撮ったそうです。
俳優では遠慮がちに意見を伝えていたところを監督という立場でしっかり本物を伝える=オーセンテシティ(本物であること)にこだわり、衣装やかつら、所作や殺陣(たて)など本物を伝えるため、細部にこだわって日本人のスタッフに協力を仰いだ。海外で日本の映画を作るには?を考え抜いた20年間の集大成。とのこと。
特にこだわった表現の一つに言葉があるそうで、普通、日本の映画は英語に訳されてから制作を進められることが多いのですが、もとになったお話が英語の小説からだったことから、英語の脚本→日本語→時代劇の言い回し→英語字幕というあえて「日本語」で映画が展開されていくという、オーセンテシティ=本物であることのこだわりの一つであると感じました。
このことがいかに重要であるか、必要性を説いた真田さんの言葉に、
「いかにストーリーやキャラクターに切り込んでいただくかいかにオーセンティックに作れて邪魔をするものがない、集中できるそういうものを作るのが大事というところから始まったので。」と映画を作るうえでの大切にしたことを丁寧にわたしたちに伝えてくれています。
真田広之さんと言えば、1991年の大河ドラマ「足利尊氏」役の印象が強く、とても表情が真に迫る俳優さんのイメージです。そんな実力派の真田広之さんは海外で日本の映画をとるために活動の拠点をアメリカへ移していた。この事実も実は初めて知りました。
受賞の瞬間の真田裕之さんの言葉がとても印象的でしたのでご紹介します。
「これまで時代劇を継承して支えてきてくださったすべての方々監督や諸先生方に心より御礼を申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り国境を越えました。」放送を見ている側にも、とても感慨深い表情でお話され、真田さんの作品や映画界への感謝の思いが伝わってくるものがありました。
サワイアンナさんとはどんな俳優さん?
日本人が海外で演技をすることは、日本ではちょっと待遇が異なるようで、イメージがアジア人ということでアクションをイメージしていたり、見え方がセクシーだよね、といわれていたそう。これは昔からあるアジア人に対しての偏見みたいなものです。と彼女も語っていました。差別的な偏見の中、演技を続けていた先人がいるからこそ今日のハリウッドがある。そしてそれが今変わりつつあると放送でも話されていました。5年前からアメリカで活動をしていて、今回、戸田鞠子役に抜擢されたようです。
インタビューでも話されていましたが、まっすぐな性格で役でもなんでもすぐ「はい」と言わないようにしている。それが自分を守ることでもある。ということ。芯のあるぶれない女性であることが印象に残りました。
ベースになっているお話は?
1975年に発表された「SHOGUN」ジェームズ・クラベル著がベースになっている。映画化にあたり、日本語で表現することにこだわった。とエグゼクティブプロデューサーのジャスティン マークスさん。
レイチェル コンドウさん日本人が撮る映画を期待されている。日本人監督による、日本人俳優のための日本語の映画をアカデミー賞も期待を寄せている。と話していました。
もともとのお話は海外で書かれた”日本の将軍を中心とした世界観”この部分を逆に日本の時代劇とコラボすることで本当に見たような世界を表現できた。というオーセンテシティそのものであったということですね。
受賞後のインタビューでのジャスティンマークスさんは「当初ハリウッドがこの数十年日本を描くときどんな間違いを犯したかずっと真田さんと議論しました。互いを尊重する”言語”ハリウッドと日本が力を合わせたときに観た人をあっと言わせる方法を模索しました。」とありました。海外から見た日本のSAMURAIを描いていた、いままでの時代劇からSHOGUNを表現したかった。その違いを今回発信できたことも真田さんは話されていました。
また、Town&Country紙から
英語が話せる日本人の中で最適な俳優を選ぶことになってしまう。とあり、今回、英語の字幕をつけ、日本語をそのまま話す、俳優陣が選ばれた=英語を話すのではなく、役の表現に適したそうそうたる俳優陣を採用している。つまり、より作品の演出にこだわった。といったところです。日本では時代劇というなじみのジャンルがあり、当たり前のように見ている役者さんですが、海を渡る際の一つの英語が壁となっていたことも初めて気が付きました。
映画の影響を受けた海外ではどんなことが起こっているの?
SHOGUNという日本食レストランが盛況であったり、日本へ行くツアーがSHOGUNという名前をつけていたり、ちょっと日本の文化が受け入れられているそんなアメリカが映像にありました。
アカデミー賞も多様性を認める時代になってきて以前より違いを認め合い、尊重する風潮になってきた。ことが大きく変わったと話されていました。従来より映画に携わる人種の割合が変わってきていて他を受け入れ始めたからだそうです。聞きなれない事実ではありましたが、これからの可能性が違って見えてきたような印象を受けました。
アフターパーティーのインタビューに答える形で真田さんは、「日本語のセリフで字幕が出てそれを興味深く見ていただき、理解していただきこの結果につながったということは、今後日本のみならずすべての外国語作品クルー俳優陣への可能性が広がったという気がするのです。世界的に素晴らしいリアクションを観客からいただいたのでじゃあ、次(シーズン2)もやろうかという話になった。」と話されていました。映画クオリティのドラマで、続編が作られそうな予感もあり、日本でも見ることができるのか、また次回作も期待できそうな展開でワクワクしてきました。
まとめ
本物であることにこだわったこの映画では切腹のシーンも多く表現されているのは、なぜここで切腹をするのか、その精神性も描かれている。海外の感覚では理解されていないが、日本人であればその理由も価値観も理解できる。そんなプレゼンテーションがこの映画にはあるようです。初めて切腹という文化に触れる海外の方はどんな印象を受けるのか気になるところです。今までは国内で完結していたジャンルも世界に出してみると新しい見方や、新しい文化を発見する機会になりますね。
アカデミー賞や、ハリウッド自体が多様性を受け入れ始めたことも放送では言われていて、パンデミック以来、新しい時代になったなあ、と感じます。国際感覚を持った日本人俳優の存在、また、国際感覚のある日本人監督などこれからの時代は、海外にも目を向けてまた、その意識をもって今からの映画に携わる人材育成の必要性も現在の監督からの必要課題となっているそうです。バランスよく多様性を受け入れ、良いとこどりをすることで労働環境が改善されたり、良い環境の下で育つ監督が良い作品を作れたり、そんな時代がこれから来る予感がします。そして世界中の人たちにも日本人の作る映画をたくさん見てもらえる日も近いかもしれません。日本の映画界も新たな時代に入って作品が生まれてくるこれからが楽しみです。
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